振り返ると
「おい、みんな見てみぃ!」
4階にあるデザイン室の窓から下を眺めていたチーフが、
ちょっと興奮ぎみで言った。
向かいの会社にコシノヒロコさんの車が横付けされていた。
ボディの側面いっぱいにローマ字で大きく名前が書いてある。
当時私が勤めていた会社は、
コシノヒロコさんのお店のある心斎橋にほど近い繊維問屋街。
「かっこえぇなぁ。
おまえらもいつかビッグになって、車に名前書いて走れよ。」
十数人いたデザイン室のメンバー、みんな20代だった。
チーフは24歳、私はまだ20歳だった。
このチーフに見出された才能(おこがましいが)のおかげで、
私はテキスタイル関連の仕事を細々と30年近く続けられた。
ビッグにならずとも、それなりに充実していた。
仕事→http://ironna-koto.blog.so-net.ne.jp/2006-06-09
高校の時、岸和田の同級生はコシノ洋装店で服をオーダーしていた。
「ささっとデザイン画を描いてくれるんよ。」
それがコシノ姉妹の実家だとわかったのはずっと後だった。
たぶんその同級生も知らなかったと思う。
小篠綾子さんは、うちの子供の小学校に、PTAの催しで講演に来てくれ、
オトウサンが聴きに行った。
「ピアノこうて~」の話が印象に残っていると言う。
糸子のおばあちゃん、正司照枝さんは母方の祖母に似ている。
組合長の近藤正臣さんは父に似ている。
父も繊維業界の人間なので、「繊維組合」という名前は懐かしい。
朝のドラマ「カーネーション」は私の人生とコラボしている。
今月で終わるのね、淋しいわ~
新しい洗濯機が来たよ
さぁ、前を向こう!