素麺
テレビ番組「プレバト」で、土井善晴センセのお料理の盛り付けを競うのが好きです。
それなのに私は盛り付けのセンスが全く無くて、
お料理の本や番組は好きなくせに、盛り付けが何にも頭に入らない。
食べに行っても、美味しかったことだけしか覚えてない。
あれは中学に入った年の夏休み、
ひとりだけ私立中学に行ったKちゃんの家に、連れ立って遊びに行った。
公立中学組の3人、携帯のない時代には許されるアポ無し訪問。
楽しく遊んで、お昼には素麺を出してくれた。
他所の家でお昼ごはんを頂くことはなかったのだけど、
Kちゃんのお母さんは他校の家庭科の先生でお料理は得意。
ササッと作ってくれ、「食べて行きなさい」と言うので。
当時、我が家で素麺というと水に浸かっていたような気がするが、
Kちゃんの家の素麺はというと、
ひとりずつザルに盛ってあって、錦糸玉子や海苔等が川のように乗せてあった。
それは、生まれて初めて見る美しくて美味しそうな素麺だった。
その時私は思った。
いつか結婚して子供が出来たなら、
子供のためにこんな素麺を作ってやろう!
と言っても今の我が家の素麺はこんな程度です。
器はザルでもないし、
グチャグチャでちらし寿司のようだし。
それで
あの時、
ただひとつ後悔することがあって、
当時の私は華奢で小食だったので、
その美しくて美味しい素麺を
半分しか食べられなかったこと。
今なら二人分くらいは大丈夫なのに。