「ありがとう」
ピアノの上に孫の七五三の時の写真を飾ってある。
「あ、ワタシの写真や!」
「大きい写真やからここがちょうどいいやろ?」
すると孫は
「ありがとう」と言った。
来月でやっと4歳。
4歳ぐらいの子供がもうそんなことを言うのかと驚いた。
直接何かしてもらったり、物をもらったりではなくて、
そんなことに「ありがとう」と。
近頃は情報源がいくらでもあるから、
いくらでも吸収して、早くから感情豊かな子供に成長するんやろうなぁ。
私なんかはテレビがギリギリやって来た頃で、
親は仕事で忙しく、まったく遊んでもらえない。
食事時は母の愚痴を父が聞く時間で、子供は喋らせてもらえなかった。
母はいつもそんなんだった。
田舎で図書館なんぞなく、本屋もない。
家にはたった1〜2冊の絵本。
たとえば、
「どれがいい?」と聞かれても、何を基準にいいのか悪いのか。
孫は「こっち!」と即答できるのがすごいなぁ。
私は小学校に行くようになっても物事を決められず、
「わから〜ん」が口癖だった。
父はとても愛情深い人だったと今になって思えるのだが、
無口だったし、子供心に怖い人という印象だった。
なので感情を表現するというのがね、
怒られるんちゃうかなっていうのが先に立って、素直になれなかったんだね。
孫は両親の愛情たっぷり受けて、
「ワタシの写真を飾ってくれてありがとう。」
「いつもワタシのことを見てくれてありがとう。」
そんな意味の「ありがとう」を素直に言える子に育ってくれてバアチャンは嬉しい。
まだ4歳か〜
虫の好きなこの子