仕事
老人施設なのだから当たり前なのだけどね、時々悲しくなる。
入所当時は、亀のようにノロノロだけど歩行器で歩いていたお爺さん。
やがて車椅子になり、最近は言葉を発することもなく、ぐったりして目も開けなくなった。
私が作る晩ご飯も、全く食べられずに返ってくる。
もはや人生も終わりなのかな・・
悲しくてつらい。
でもね、
食事の介助がとても上手な男性職員さんがいて、
その人の時だけは食べている。
どうやって食べさせてるのか不思議。
昨日はその人が介助の日で、
「じゃあスプーンを持ってくださいね。」って聞こえてきた。
えっ、目も開けてない人なのに?
エプロンで手を拭きながら見に行くと、
お爺さんは本当にスプーンでおかゆを掬って口に入れてる!!
彼はお爺さんに絶えず話しかけている。
「◯◯さん、きょうのおかずは☓☓で、おいしいですよ。」
「もう一口食べましょう。」
「噛んでくださいね。」
他の職員さんも頑張っているけれど、彼の真似はできていない。
タイミングなど、コツがあるんやろうね。
昨日は完食して空っぽで返ってきた。
「ねぇちゃん、デートしよう。」って、
お爺さんの口癖が、また復活するかもしれない。
やっぱり
この仕事は楽しい。