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甘えん坊

 

弟がガンの手術。


腸炎で入院した際に受けた検査で、初期の直腸がんが見つかった。

初期とはいえ場所が悪かったので人工肛門になるという。

仕方がない。命には代えられない。


気の小さい弟なのでそりゃあショックだっただろう。

「余命はどれくらいですか。」などと聞いたらしい。

幸いなことにどこにも転移はしておらず、術後はふつうに生活出来るそうだ。


手術は無事終わりホッ。

義妹も休んでいた仕事に復帰。

すると、シフトが休みの私の所へ、

「姉ちゃん心細いから来てくれ。」と電話。

仕方がない、行ってやるか。


人工肛門は、はだけた脇腹の見える所にあって、

私がが思っていたような壮絶感はなく、手入れしやすくてきれいなもんだった。

順調に回復していて翌日から歩く練習。

それなのに弟は、

「不安や〜 元の生活に戻れるんやろか。」と、

ひとりになるとマイナス面ばかりが頭を巡るみたい。


看護師さんが、

「前向きに、貴重な体験だからと写真を撮ってSNSにアップしてる人もいますよ。」

そう言うが、

弟はもともとスマホも触れなくて、いまだガラケーで何の楽しみもない。

そういうところが私とは正反対で、

小学生の孫もいるジイサンなのに、いまだ「姉ちゃん〜」って、なんやねん!

一人息子で甘やかされて育ったからね。


私が帰ってから、

「詰所まで歩けた」とメールがあった。

普段はメールなんてしないのに、嬉しかったんやろね。

今日は行かんでもいいかな。


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