花山さん
「人生はうまくいくように出来ている」
結婚する娘に向けてのメッセージカードに、そのように書いた。
単純でセンスのよい言葉になったと思う。
式の当日そのカードを受付に渡す。
ふと見ると、私のメッセージのあとにオトウサンの字で、
「それはオトウサンがフォローしてるからで、云々・・(長々と)
人生はプラスマイナスゼロなんだよ なんたらかんたら・・(長々と)」
私の単純明快でセンスの良いメッセージが台無しやんか!
それにプラスマイナスゼロなんて言葉はあかん!
幸せ絶頂の娘に、後から不幸が来るんだよって言ってるようなもの。
オトウサンはセンスないなぁ。
ところで、この方をご存知?
NHK「とと姉ちゃん」出てくる花山さん。
ドラマは10歳で父を亡くし二人の妹のために父親代わりになる常子の物語。
父親を亡くした娘は山ほどいるし、今までの話の中で面白いところはひとつもなかった。
ある日の新聞に、
「やっと花山(花森)さんが出て来ましたね 」
と書いてある読者の記事を見た。
唐沢寿明演じる編集長、花山さんはどんな人なんだろう。
そして、書店で目に入ったこの本。
これがまあなんと、衝撃的であった。
額が1ミリでも歪んでいると気になるタイプの人らしいが、
レモンの影の出し方、青リンゴの配置、全て全て、
0,1ミリのズレも許されないくらい、完璧な構図になっている。
イラストも色も数々の名言も
隅々まで隙のないセンスの良さ
人間的にはドラマの花山さんより、もっと破天荒で面白い人だったようだ。
「とと姉ちゃん」が楽しみになった。
私の卒業制作のポジフィルム
パソコンなんぞなかったので、文字は雑誌や新聞からの切り抜き。
レイアウトを見せる作品。
モチーフは動物、植物、無機物を描いて、
そのうちから、いちばん向いている物を先生が選んででくれた。
いちばん力が入っていたカボチャ。
当時から食い意地が張っていたんやね。
隅々まで隙だらけの作品だけど、
知らなかった花森さんを無意識に真似してる。