嘘の電話
ぴんぽ〜ん
「電気料金の設定見直しについてお伺いしました。玄関先までお願いします。」
私一人だったら
「誰が行くもんか。」
今ごろの電気料金のといったら、
ウチの電力会社にするとこんなにお得ですよとか、
そういうのに決まってる。
オトウサンがいたので、適当にあしらってくれるだろうと思い・・・
いや、思ったのが大きな間違いだった。
いそいそと 出て行ったオトウサンは、
門を開け、ドアを開けて、
家の中に招き入れてるやないかい!!
おまけに犬がうるさいからと、そのドアを閉めてるし!
コタツに寝転んで聴いていると、
ご家族は何人ですか?などと聞かれて、バカ正直に答えてる。
あかん、こりゃあかん!!
根掘り葉掘り個人情報を聞かれてはかなわん。
コタツからガバッと起き上がり、
「オトウサン、電話や!」
交代に、いきなり現れた私に恐れおののくセールスマン。
「あ、あの・・セールスではなくて、今日は設定の見直しで・・ 」
「これから仕事なので忙しいのよ。ごめんなさいね〜」
「では後日、いつごろなら・・」
「マチマチなのでわかりません。」
そう言ってドアを開け、帰ってもらった。
定年後の暮らしにまだ慣れていないオトウサンにキツく言ってやった。
田舎の実家に住んでた頃の、
だれかれなしにお茶飲んで行って〜の時代とは違うんやで!!
ドアまで閉めて、刃物でも持ってたらどうするつもり!?
携帯をパカパカしながら落ち込むオトウサン。
かわいそうなのでこれくらいにしといたる。
理屈ではわかっていても、経験がないと簡単に騙されたりするんやろうね。
理屈ではわかってる事。
全く違うことだけど私もあるのよ、数年前に。
調理中に火のついたガスコンロの横をゴキブリが通ったので
咄嗟に殺虫スプレーを噴射してしまった私。
BON
怖かった〜
火気厳禁て書いてあるのに。
わかってるのに。
人間てバカなことをしてしまうんやね。