もしかしたら怖い
休憩時間。
「Nさんが亡くなったことは知ってる?」
ああ、昨日だれかが話してるのをチラッと聞いたけど・・・
パートさんはいっぱいいて、入れ替わりも激しいので、
どの人がNさんかは知らない。
きっと顔見たらわかると思う・・・
でももう見られへんのやわ
Nさんは日曜日の勤務を終えて、自宅で倒れてそのまま亡くなったらしい。
「50歳くらいで・・」
髪型は?
「こんなんで・・」
こんなんて、どんなんよ?
34歳男の説明はよくわからん。
休憩時間を過ぎたので、戻って仕事を続けていたとき、
パッとある光景が脳裏に浮かんだ。
私の目の前を横切る人の姿・・・それは3日ほど前の光景。
食事休憩に行く時と帰る時の姿が何度も何度も・・・
「わかった!Nさん、ベリーショートの人でしょ?」
「あ、そうそう!なんでわかったん?」
「今ね、『私よ』って言いに来てくれたんよ。」
「えっっっっ 」
「それよりもね、階段の踊り場にある自販機のね、
そうよ、右側の自販機なんだけど、
血糊のようなものがたら~~~っと・・・・
知ってる?」
「 ・・・ 」
すっかり彼を怖がらせてしまった
肥料もやらないのに健気なシンビジューム
山茶花、まだまだいっぱい蕾が。